抜刀道 -Battodo-

居合道とは異なる刀遣いの高みを目指す武道

抜刀道とは、日本刀を用い巻きわらなどの物を斬る武道です。
刀をさやから抜き、その一連の動作で斬る動作を行う居合道と似ているため、居合道と同じく見られることもありますし、広義の意味においては居合道の一部としている人もいます。

しかし、抜刀道は居合道とは異なり、実際に物を斬るというところに主眼を置いています。
一方の居合道は、刀をさやから抜き、納刀するまでの動作に重きを置いていて、実際に物を斬ることはありません。
こうした明らかな違いが、抜刀道と居合道を分けるポイントです。

抜刀道の成り立ちを見ると、その違いに納得できるはずです。
抜刀道は昭和の時代、居合道の戸山流にいた中村泰三郎という師範が、試し斬りを行う独自の剣術を発展させました。
この試し斬りをメインとした刀の武術が、抜刀道として知られるようになり、今日に至るのです。

立った状態から巻きわらを斬るのが抜刀道

抜刀道は、立った姿勢のままから巻きわら、畳表を斬るというのが技法です。
単に斬れば良いというのではなく、いくつもの技が存在しています。
流派や団体によって異なりますが、10本ほどの技が認定されていて、難易度が異なります。

一回のみ巻きわらを袈裟斬りにて切り伏せるものから、すくいあげるようにして複数回切りつけるものなど、修練が求められるものもあります。

単なる曲芸的な刀の使用ではなく、服装から所作に至るまで、礼にのっとって品位ある仕方で行わなくてはなりません。
そのため、技の向上には精神の鍛錬が欠かせないものとなっていて、人格形成の1つの手段ともなっています。

競技としての抜刀道もあり試合が行われる

心身の鍛練を目的として、日々修行に励むのが抜刀道の真髄ですが、試合も行われ、いわば競技としても人気を持っています。

その方法は、剣客が紅白に分かれて試合を行い、巻きわらを斬ります。
その際の礼儀作法や精神の集中度合い、技の優劣などを審査員が判定を行い、試合を決します。
個人での試合の他、団体での試合ルールも取り決められていて、先鋒、中堅、大将の三人が順に巻きわらを斬り、その点数の合計によって勝敗が付けられます。

日本の伝統的な武道の1つとして、日本国内ではもちろんのこと、諸外国においても人気があり、多くの愛好家がいます。
刀は芸術品としても注目を集める品ですので、こうした分野からも抜刀道には注目が集まっていて、これからさらにその魅力が発信されていくことでしょう。

日本を訪れる外国人の中にも、抜刀道を体験してみたいという人も多く、いくつもの道場で門戸を開き体験教室を行っています。
抜刀道に興味があるなら、こうした体験をしてみるのも良いでしょう。