居合道 -Iaido-

室町時代にまでさかのぼる歴史ある武道

居合道は、抜刀する瞬間の技量を見るための武術で、刀の扱い方に関する修練を重ねることによって、心身の鍛練を重ねることを目的としていました。

その歴史は大変古く、室町時代にまでさかのぼると考えられています。
一瞬の間に刀での勝負を付けるという、命のかかった緊迫した状況をコントロールできるようになるため、抜刀の技術を極限まで高める武術として評価されていました。

そして、居合道としての体系的な武術は、戦国時代から江戸時代にかけて剣客が磨き上げ完成させたと言われています。
刀を抜く際の体の動きや刀の操り方などに関する研究を重ね、無駄を一切省いた実戦的な型が考案され、それが伝えられていったのです。

そして、こうした居合道の技術はそれぞれの剣術道場で工夫がなされ、たくさんの流派が生まれました。
こうした動きは明治時代になって、廃刀令が出されるまで続いていました。
その後、戦後、1950年代になると居合道を大事にする人々の手によって、居合道の組織的な活動が始められ、大会が開催されるようにまでなりました。

世界でも珍しい剣を用いた武道の手法

フェンシングを筆頭に世界中に剣を用いた武術が存在します。
しかし、刀をさやから抜き、さやに納めるまでの動作のみを取り上げ、1つの武道としているのは、世界広と言えどもこの居合道のみで、非常に珍しいタイプの武術と言えます。

実際に刀を誰かと切り結ぶこともないため、体力を必要とせず、女性でも覚えられるのがメリットです。
実際に、段位を持っている人の30パーセントは女性というデータもあり、門戸を広く取っていることが分かります。

大会における演武も行われる

居合道も他の武道と同じように、試合があり勝敗が決せられます。
前述の通り、居合道は誰かと実際に刀を合わせて戦って優劣を決めるというものではありませんので、その演武によって点数が出され、勝敗が決まります。

技の正確さなど、技量を評価するポイントとともに、礼儀や心構えなど、精神的な面での評価も重要なポイントとなっているのが、居合道における試合の特徴です。

こうしたことからも、居合道では精神の鍛錬というものが重要視され、鍛錬の目的となっていることが分かります。
また、多くの場合、真剣を用いますので、ふとした気の緩みや技量の不足が大事故、さらには命を落とすことにもつながります。
そのため、常に精神を集中さえ、乱れのない心を保つことが要求される、とても奥の深い武道なのです。

剣道や柔道などに比べると認知度があまり高くない居合道ですが、日本人の心にマッチする武道ですので、心身の鍛練のためにもその良さが周知されることが期待されます。